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泳いでいる鯉が口を使わない?

鯉が泳いでいるのに、なかなか釣れないなんて事、ありませんか?
意外とどこにでも生息していて、僕らにとって最も身近な魚の一つである鯉。最大で1メートルを超える、立派な大型魚です。
「近くの川で泳いでいるのを見つけてみたから釣ってみよう」と挑戦するも、餌に口を使わず、なかなか釣れないなんて事があります。
今回はそんな口を使わない鯉について、口を使わせて釣る方法を書いていきたいと思います。
なぜ口を使わないのか?
鯉が口を使わない理由は数多くありますが、その中でも要因として考えやすいものは”警戒心”と”食性の違い”の二つでしょう。
警戒心が高い鯉は簡単には釣る事ができません。魚も僕らが思っている以上に頭が良く、しっかりと釣り人を認識して生活している個体だっています。公園や神社の池にいる鯉が餌付けされているのをみた事がありませんか?

完全に餌付けされている鯉は人間が近寄っただけで口を水面に出して餌をねだってきます。水中にいる魚にだって、陸地にいる人間の事は認識できるのです。魚の種類にもよりますが、目が良い魚は人間が20m以上遠くに立っていても気付きます。釣りをしていると良くわかるのですが、しっかりと釣り人を認識している魚は中々手強いのです。

もう一つの要因である”食性の違い”はその場所で鯉が主食にしているものと釣り餌に使っているものがかけ離れている場合の話です。雑食性の鯉は基本的になんでも食べます。しかしながら、普段食べているものと全く違う釣り餌を使用すると、興味を示さなかったり警戒して口を使わない事があるのです。
具体例で言いますと、普段動物性のものばかり食べている鯉に植物性の吸い込み餌を使っても中々当たらないなんて事があります。動物性の食事をしている鯉は、ザリガニだったり貝、エビ、魚、などなど。結構なんでも食べます。食性が魚に偏っている鯉が多いエリアでは鯉をルアー釣りで狙う事ができます。
しかしながら、これを藻や苔ばかり食べている鯉が多いエリアで実践しても、中々釣果には結びつきません。場所や季節によって食性がガラリと変わるのが、鯉釣りの難しさであり、面白さでもあるのです。
泳いでいる鯉に口を使わせる方法4選
ここからは実際に鯉に口を使わせて釣り上げる為の方法について書いていきたいと思います。個人的に鯉が口を使わなかった時に意識している事で、少しでも釣果を上げたい方は是非とも読んでみてください。
餌を変える
一つ目の方法は餌を変える事です。先ほども書いた通り、(鯉に限らず)魚を釣る際はその魚の食性に合わせるのが一番です。吸い込み仕掛けを使っていても全く鯉が当たらない時、僕の場合はザリガニなんかを餌にする事があります。

(ここ最近、ザリガニの扱い方について法律が見直されたので注意が必要です。)
ザリガニ餌の良いところは魚を寄せる力が強いところだと思っています。ナマズや亀なんかの外道もヒットすることが多々ありますが、鯉を狙っているときに反応がなければ是非試して頂きたい餌の一つです。
釣りをする時間を変える
釣りをする時間を変えて見るのも一つの手になります。魚は時間帯ごとに行動が変わってきます。肉食魚であればかなり顕著で、朝や夕方のマズメ時にしか捕食行動を取らない魚もいます。鯉も時間帯ごとに行動が変わり、日中よりも暗い時間に食事をする魚もいれば、夜は動かないで日中にのみ餌を探す鯉もいます。この辺は個体やエリアによって全然違うので、自分が釣りをする場所の傾向を調べてみた方が良いかもしれません。

ちなみに僕の地元の鯉釣りポイントでは、夕方の2時間にあたりが集中するなんて事が多く、釣りをするのもその前後含めて4時間くらいと決めて釣りをしていました。それ以外の時間に当たりが全く出なくても、その時間になると急に当たり出すなんて事が多かったですね。
ハリスを細くして見る
単純な手ではありますが、ハリスを細くして見るのも効果的です。
警戒心が高く、針やハリス、仕掛けを嫌って餌を食べない場合はハリスを細くしたり仕掛けを見直すことで違和感を減らし、バイトに持ち込む事ができるのです。もちろんハリス切れが起こりやすくなるなどのデメリットも理解した上で調整する必要がありますが、ハリスの号数を少し落としただけでも魚の反応がガラリと変わるなんて事が結構あるのです。

鯉の口にだって当然感覚神経があるはずですので、針やオモリなどの金属を察知して吐き出す可能性もあります。ハリスを細くしたり、針の号数を落として見るのも、手段の一つですね。
リアクションの釣りを試してみる

こちらはルアーなんかを使った攻めの釣りの場合ですが、リアクションで口を使わせるのは鯉釣りにおいてとても有効になります。もともと雑食の鯉ですが、基本的には常日頃から魚を追いかけ回しているわけではないのです。動物性のものを食べる場合の多くはエビやカニ、ザリガニなどの甲殻類になるのですが、リアクションの釣りではそのような生き物たちの動きを再現し、捕食のスイッチを入れる事ができるのです。
冬にバス釣りをしていて、バイブレーションのリフトアンドフォールなどを試していると、たまにヘラブナや鯉などのコイ科の魚が釣れることがあります。あの釣れ方がリアクションの釣れ方になります。

鯉を専門に狙う際には近づいてきたところでルアーを素早く弾いたりとか、あえて激しいアクションをさせて見るとか、そんな事が意外と釣果に結びついたりするのです。
完全に警戒し切っている場合、しばらくは口を使わない事も。

鯉が完全に警戒し切っている場合、これらの方法を使っても口を使わない事があります。そんな時はしばらく時間をおいて再度挑戦するのが良いでしょう。一度口を使わないモードに入った鯉は僕らの想像以上に口を使わなくなります。釣り上げた場合、個体にもよりますが2週間くらい口を使わなくなる個体だっています。
最もプレッシャーが低いのは魚とのファーストコンタクト時になるのです。ルアー釣りの場合、最初の一投が最も魚にプレッシャーがかかっていない状態になり、端的に言えば釣れやすいのです。鯉の餌釣りに関しては撒き餌などが働いてくるので、少しずつポイントを育てていくような感覚です。口を使わないような魚も撒き餌でスイッチが入って口を使ってくれるなんて事もあります。
食性の違いが原因で口を使わない場合は釣り人から食性に合わせて餌をチョイスする事ができるのですが、警戒心が原因の場合、魚が警戒心を解いてくれないと何もできないなんて事もあります。釣りをする時間を変えて見るとか、時間をおいて再挑戦するとか、戦略的撤退も一つの手だと覚えておきましょう。
見えている魚が釣れないのには理由がある

見えている魚は釣れないとはよく言いますが、口を使わないのには理由があるのです。
その辺の川を泳いでいる鯉が口を使わないのは警戒心や食性の違いが原因である事がほとんど。しっかりと口を使わない原因を探せば、自ずと答えが見えてくるはずなのです。
表層のゴミや流れてくる草なんかを食べている鯉であればパン鯉釣法がオススメです。
鯉を釣るのにこれ以上簡単な釣り方はないと思っています。餌やタックルなどの準備も楽ですし、餌で手が汚れないのも快適。ただ、このパンプカ釣法で口を使わない中層を泳いでいるような鯉は口を使わせるのに難儀するかもしれません。シルエットの小さい藻や苔なんかを偏食している鯉が一番口をつかせるのが難しい印象です。
それでも、鯉の食べているものと釣り餌をリンクさせる事ができれば、必ず釣れます。
食性を利用した漁法ですので、餌や仕掛けを工夫すれば、口の使わない鯉にも口を使わせる事ができるのです。