外来種 雷魚

いつの間にか希少種になったライヒー(タイワンドジョウ)に会いに西へ通いまくった話

ライヒーは西にしかいない!

日本に生息する雷魚のうち、定着が確認されているのがカムルチーとタイワンドジョウとコウタイです。

日本全国に分布しているいわゆる”雷魚”という種のほとんどがカムルチーになるのですが、雷魚好きとしては他の2種類も釣らなきゃなと思った訳です。

コウタイは一旦置いといて、まずはタイワンドジョウ(以下ライヒー)を手にしようと思った訳ですが、地元北陸にライヒーは生息しておりませんでした。2023年、ぷらっと関西に越して来たのをいい事にライヒーを本格的に狙ってみようと思った訳です。

ライヒーを探して関西圏をウロウロ

さて。今の時代ライヒーに限らず大抵の魚はググればポイントが出てくるのです。ライヒーという魚を探すにあたって、ネット記事や釣果情報等は使用せず、アナログに聞き込みと航空写真で探す事にしました。ぶっちゃけ言えば超希少魚という訳では無いのでそのうち釣れる魚なのです。情報に縛りを設ける事でいい感じに難易度のバランスを合わせようという魂胆です。

最初は住んでいる京都府内でライヒーを探す事にし、南から北までウロウロする事にしました。何ヶ所かでカムルチーの姿を見る事ができたのですが、いかんせんサイズは小さく。地元ほどの大型魚は見る事がありませんでした。

カムルチーを釣っているとヘラ釣りのおっちゃんが「タイワン釣れたんけ〜」なんて声を掛けてくれたりするのですが、しらばっくれて「これタイワンなんすか〜?カムルチーだと思ってました〜」なんて返事をしてみると「ちゃうちゃう!ここら居るのは全部タイワンやで!!」と。……なるほど。

このおっちゃんに限らず、全国各地に満遍なく雷魚の種について区別出来てないヘラ師は多く、初年度は振り回されることとなりました。しかしながら実際京都府内でも生息はしていそうだったのでおっちゃん達の話を無下にする事もできず。基本的に優しいというかすごく親切な方が多く、「タイワン探してるんですよ〜」で仲良くなって毎週決まった曜日に顔を合わせるくらいの仲にはなってました。その度菓子だの茶だのくれたりなんなり。優しい方達です。

さて、肝心のライヒーを京都府内で釣るということは結局叶わず。カムルチーのポイントを開拓したところで府内は一旦見切る事にしました。

Screenshot

更に西へ。

一般的にライヒーという魚が有名な場所といえば兵庫だったり淡路島だったりの名前が挙がりますが、実は和歌山や大阪なんかにも生息している魚になるのです。

そんな訳で京都から抜け出し、別エリアを開拓する事にしました。

基本的にポイント依存性、特にカバーへの依存性がカムルチーよりも高いと言われている魚ですので、航空写真で見つけたリリーパッドの濃そうなポイントを片っ端から見ていくことにします。

地元のバサーに話を聞きながら釣り歩いていると、局所的ではありますが案外バスと同所的に生息しているパターンは多いとの話を聞く事ができました。あとは冬に水を抜いてしまう池でも雷魚であれば泥の中で冬眠するから翌年の春にはまた泳ぎ始めると。

どこまで確実な情報かは分かりませんが、実際に水抜きをするという池でも雷魚(カムルチー)の姿は何度か見ることが出来ました。そして関西らしくバス(ラージマウスバス)もキャッチ。

この辺のゲストに遊んでもらいつつ、開拓を進めていきました。

食い気のないライヒー

何箇所目か、何十箇所目かのポイントにて、遠目から小型の雷魚を確認することが出来ました。

この時点では小さいカムルチーかライヒーかの区別がつかず、同じ場所でじーっと呼吸を待つ事にしました。待つこと約1時間半。同じルートを回遊してきた小型の雷魚は……、ライヒーだ!

竿を車に積みっぱなしにしていたのでキャストこそ出来ませんでしたが「姿を見付ければこっちのモンだ」とスキップしながら車にロッドを取りに戻りました。そしてさらに30分ほど経った頃に同じ個体が同じルートを回遊するのが見えました。

進行方向を読んでキャスト。完璧なアプローチが決まったと思ったら、まさかの素通り!!

「おや?もしかして簡単じゃない?」

場所によりけりなのでしょうが、おそらくバサーからの猛攻も相まってかなりナーバスな様子。呼吸頻度も心なしか低い気がします。別な個体が回ってきたら釣ればいい位に考えていましたがその後口を使ってくれる個体は現れず。小型のワームなり投げれば釣れるのかもしれませんが現段階でその手段は取りたくなかったので周辺の池開拓も再開。

結局この年はライヒーが生息している池を4つほど見つけたところで他の釣りが忙しくなり、タイムアップとなりました。

令和のライヒー。

そんなこんなで翌年の2025年、なんと今年は巳年(ヘビ年)なのです。

雷魚(スネークヘッド)の為にあるような(?)巳年と来た訳ですので、今年はそれなりに雷魚をやり込もうということでライヒー釣行を再開としました。昨年に訪れてはいたのですが、口を使わせることが出来なかったポイントへ。

到着するといきなり足元に良型の個体を発見!一瞬カムルチーかと勘違いしました。

立ち位置を変えてキャスト。

フロッグが体の横を通過しようというところで身震い!からの突進バイト。

フロッグ&ヘビータックルなのでサクッとフッキングして抜きあげ。

念願のライヒー。思っていたより大型の個体を手にする事ができました。

カムルチーとの比較。全体的に丸っこいフォルムが特徴的。比べてカムルチーは(個体群にもよるが)にょろっと細長い。

リリース後、小型ながら柄がパリッとでている綺麗な個体を追加。

先ほどの個体よりもライヒーの特徴を感じられる個体で、柄の出方がお手本のようなライヒー。ちなみ

にカムルチーの柄はエッジが立ってなく丸っこいのです。

ちなみにカムルチーの幼魚は柄がくっきり出ていて綺麗です。この時点で柄のエッジのつき方が違うのがお分かりいただけると思います。

ライヒーのバイトはカムルチーに比べてスピード感がありました。同じ雷魚という括りでもそれぞれにしっかりと個性があるのですね~。同じサイズとして比較するとライヒーの方がカムルチーに比べて突っ込むし、引きが強い気がします。

満足できる魚を2匹触らせてもらって納竿。もうこれ以上は釣らなくて良いかなと思える魚体でした。

厳しくなりつつも繋いでいた

ある程度厳しくはなっていたものの一部ではひっそりと生息し続けているライヒー。考えるに今後10年でこの魚を取り巻く環境は更に厳しくなるんじゃないかな?と思います。

ピュアな個体は疑う事なくルアーを頬張ってきます。我々釣り人も節度を持って付き合わないといけない魚だろうなと考えるところです。

なんて、堅苦しい事も書いてみましたが、魅力的な魚だと思います。

ちなみにライヒーとカムルチーが混ざって混血ハイブリッド個体が生まれるという話があるのですが、果たして本当なのでしょうか?

雷魚、面白い魚です。

川上 克利

幼少期から近所のドブを徘徊し、魚の多様性に魅せられました。
趣味的に当サイトMONOSを管理運営。
獅子型のA型、好きな飲み物はドクペとルートビア。

コンタクト、お問い合わせ、メッセージは各SNSのDMや当サイトお問い合わせフォームよりお願い致します!

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