沖縄の怪、オオウナギ。
オオウナギという魚をご存知でしょうか?
オオウナギ(Anguilla marmorata)は最大で150cmを超える巨大なウナギです。
日本では長崎県以南の地域、特に南西諸島に多く生息する魚です。
そのビジュアルは見た人間に強烈なインパクトを与え、名前通りの「オオウナギ」に驚く人も多いでしょう。
今回はそんなオオウナギを釣る為、沖縄に足を運びました。
オオウナギは九州の一部にも生息しているのですが、恐らく沖縄本島が一番出会える確率が高いと思います。
オオウナギ釣りのタックル
今回オオウナギ釣りで使用するタックルです。
まずはロッドとリールです。
ロッドはこちらのパックロッドです。
オオウナギはかなり大型になる魚ですのでパックロッドの中でもかなりパワーのあるものを選びました。
続いてリールです。
今回リールはベイトリールを使用します。
こちらのリールにPEラインの4号を巻きました。普通のウナギ相手にPEラインの4号なんて要らないのですが、何せ相手はオオウナギ。ウナギ釣りという概念を捨てて道具を準備しました。
メインラインと同じくハリスもかなり強いものを選びました。
普通のウナギ釣りに使用するハリスは3号ほどですので、40号という強さのハリスがどれほどのものかわかると思います。
事前に調べていたのですが、オオウナギはブロックの隙間から出てきて餌を食べるそうです。
そんなわけで、オオウナギが餌を食って岩の隙間に入り込んだらパワーファイトで強引に寄せる必要があります。
そしてフックも大きく丈夫そうなものをチョイス。
使用したのはこちらのフック。かなり大きいです。
普段使用している釣り針と比較するとこんな感じです。
小さすぎるとオオウナギが飲み込んだ際に針を外すのが難しくなってしまうのでこの大きさをチョイスしました。
写真では「カエシ」を潰してないですが、実釣ではカエシを潰します。これもオオウナギが針を飲み込んだ際に外しやすくするためなのですが、潰すのを忘れると本当に大変らしいので忘れずに潰す様にしましょう。
ちなみに、オオウナギはルアーで釣ることもできる魚です。
別で記事も書いているので、興味のある方はぜひともご覧ください。
オオウナギ釣りのポイント探し
オオウナギのポイントの探しです。
オオウナギは那覇市周辺のドブ川にもいる魚ですが、北部の方が魚影が濃い様です。
実際に北部では大型の釣果が多く聞かれますが都市部ではそこまでポテンシャルは高くない様です。
しかし今回は「あえて」都市部でオオウナギを狙ってみたいと思います。
沖縄の都市部のドブ川もなかなかいろんな魚が生息しておりオオウナギの他にもオオクチユゴイ(ジャングルパーチ)なんかもいます。
実際にドブ川でオオクチユゴイを釣った記事もあるので良ければご覧ください。
そしてオオウナギ探しですが、
オオウナギを捜索するのであれば昼間より夜の方がやりやすいかな?と思い、夕方から集中的に捜索しました。
なお、夕方から捜索するという選択は結果的に正解だったらしく、市民の「なんだあいつ?川ばっか見て。」みたいな目を上手く避けることができました。
都市部での釣りは常に市民の目と隣り合わせ。
少年時代であればそんなもん気にしなかったのですが、流石にこの年になる時にする様になります。
夕方から都市部を歩いている時は、ついでに沖縄の大河川で釣り人に聞き込みなんかもしました。
そんな中、聞き込み中にハゼが足元を歩いている(?)のを見つけ、釣ったのがこちら。
トビハゼ!おそらく「ミナミトビハゼ」という種類のトビハゼです。
こんなのが足元を数匹で歩き回っていたのでつい狙ってしまいました。純新潟県民的には嬉しい出会い。
こんな感じで寄り道ばかりしながら、だらだらとオオウナギを探すのでした。
オオウナギを発見!
だらだらとオオウナギを探し、ドブ川を見て回っていると、橋の上から障害物が確認できるドブ川を発見しました。
「こういうところにいるんだよなぁ〜」と沖縄のドンキホーテで購入した謎の激ウマ飲料(A &Wと書いてあった)を飲みながら眺めていると、ゆる〜い流れに身を任せてる布切れを発見。
布切れは水の流れを受けてゆらゆらと揺れているが、次第に少しづつ上流に移動し始めた。
「あれもしかして生き物か?」
みたいな状態だったのですが、目を凝らしてよーーーくみると。
「オオウナギじゃん!!」
布切れだと思っていた物体は少しづつ遡上しては下り、を繰り返している様です。
ずっと同じ場所をグルグル回っているので「これは釣れる!」と思い、急いでコンビニに駆け込みました。
事前に調べていた情報によると、オオウナギはチキンで釣れるらしいのです。
ここはその情報を信じ、コンビニのチキンで狙うことにしました。
コンビニのチキンを購入しに走り、先程の場所に戻るとオオウナギは相変わらず同じ場所をぐるぐるしていました。
急いでタックルを準備して流れの少し上流にチキンを投げ入れます。
こんなんで本当に釣れるのかなと疑問でしたが、チキンがオオウナギの鼻先を掠めた時、明らかにオオウナギはソワソワしました。
そしてもう一度少し上流に投げ入れ、オオウナギの鼻先をもう一度掠めると、オオウナギが流れていくチキンを追っかけてパクッと咥えました。
「食った!」
5秒ほど待ってから合わせを入れそのまま引っこ抜いてやると小ぶりなオオウナギが姿を表しました。
小さいけどオオウナギゲットだぜ!
初めて釣ったオオウナギは体長70センチほど。
嬉しいけどもこれじゃ胸を張って「オオウナギ」とは呼べない….。
かわいいこの個体はサクッと針を外してリリースしてあげました。
先ほどより大きな個体を見つける
オオウナギをキャッチすることはできましたが、いまいちインパクトに欠ける大きさでした。
もちろん小さい個体でもめちゃくちゃ嬉しいのですが、「オオウナギ」という名前を冠する以上はやはり普通のウナギではありえないサイズのものを釣りたいのです。
先程の個体を逃した後、同じ水系のドブ川の捜索を再開しました。
そして捜索開始から約3時間。深夜1時頃、先程の個体よりも明らかに大きな個体を見つけました。
橋の上から見た感じ、太さは先程の個体の倍近くある様に見えます。
これは逃すわけにはいかない!
先程のチキンの余りをフックに付けて鼻先に落としてやる。
すると警戒しているからか、チキンから距離をとってしまった。
都市部のポイントの魚は基本的に警戒心が高いので簡単には食ってこないのが常、根気強く待っていると再びチキンの近くに戻ってきた。
そしてチキンを咥えた!
「食った!」
飲まれないよう、チキンが見えなくなったらすぐに渾身のフッキング!
先ほどよりも明らかに重いです。
そして岩にラインを擦りながらとんでもない抵抗を見せます。
足場が高いポイントだったので太いラインを利用してそのままぶっこ抜こうと思っていたのですが、あそこまで擦られるとラインもかなり傷が入っていると思いぶっこ抜くのは断念しました。
バーブレスとはいえ、フックを口に残すのは極力避けたかったのです、
そこで川まで降りてランディングすることにし、結局ドブ川に入りました。
そしてオオウナギの口にボガグリップを入れた!
「オオウナギゲットだぜ!!!」
まだまだオオウナギにしては大きくない方かもしれないが、普通のウナギでは考えられないサイズです。
これぞ沖縄の「怪」オオウナギ!!!
(目つきが悪い写真しかウナギがピンボケしてないのがなくてこんな目つきの写真になりました。笑いたきゃ笑ってください!でも僕の顔じゃなくてオオウナギの太さに注目していただければ…..。)
そして、このオオウナギ口から数本の釣り糸が出ていました。
どれも極端に細い釣り糸などではなく、しっかりと知識のある方がチョイスする様な太さの釣り糸でした。
しかしこのオオウナギは数々の釣り人に勝利し結果的に口元に邪魔な釣り糸を生やすことになったのです。きっと釣り人の運が悪かったのでしょうが、やはりできるだけ太い釣り糸を使うに越したことはないですね。もちろん取ってやりました。
これがオオウナギの頭です。とにかく普通のウナギでは考えられないサイズです。口もかなりガバッと開くため、大きなテナガエビなんかでも丸呑みできそうです。
こちらは尻尾。やはり普通のウナギの比ではないです。
オオウナギの口を掴んだ手はかなり傷だらけになり、右手の親指は出血するほどでした。(写真は左手)
やはり肉食魚の歯をしており、かなりかっこよかったです。
そしてオオウナギは軽く蘇生してやると優雅に暗黒のドブ川に帰っていきました。
リスペクトするべきドブのヌシは、あまり何匹も釣る様な魚ではないなと思い、これ以上のサイズアップは求めずに求めずに納竿といたしました。
沖縄オオウナギ釣りまとめ
「オオウナギ」
この上なく的確で無駄のない名前だと思いました。
実際にオオウナギを夜のドブで見つけた時のインパクトはすごいもので、久しぶりに心臓がバクつきました。
この魚は余りイジメるべきではないと思い早々に納棺にいたしましたが、間違いなくこれより大きいオオウナギがいます。
そして都市部のドブ川ポイントで狙う際は近隣住民の方への迷惑にならない様に行動しましょう。路上駐車や大声での談笑は絶対にしないように!
個人的に沖縄一の大怪魚。巨大化したウナギは沖縄のドブ川でひっそりと暮らしていました。