アリゲーターガー

鶴見川で「怪魚アリゲーターガー」を狙い続けた若者の話。

アリゲーターガーという魚。

アリゲーターガーという魚をご存知ですか?

アリゲーターガー・学名Atractosteus spatulaはアメリカ南東部を中心に生息する魚で最大全長が2mを超える北アメリカ最大の淡水肉食魚です。

原産地のミシシッピ川では全長250cmを超えるものが捕獲されており、記録にあるものでは体重が150kgを超える個体が1988年に捕獲されています。

そんなアリゲーターガーですが日本では2018年に「特定外来生物」に指定されました。

特定外来生物として魚類の中でも有名な魚達。

ブラックバス(新潟県)
ブルーギル(新潟県)
チャネルキャットフィッシュ(福島県)

一般の方にもある程度浸透している特定外来生物としてはこれらの「ブラックバス」「ブルーギル」「チャネルキャットフィッシュ」の三種類が最も有名でしょう。

2種とも日本で勢力拡大中です。

そしてアリゲーターガーは元々観賞魚として海を渡って来ました。

そして比較的安価な値段で手に入る様になった結果。

観賞魚として飼い始めたはいいものの、思ったよりも魚が大きくなり「飼いきれない」となった人間が日本各地の川や池などにアリゲーターガーを捨てました。

その結果繁殖しアリゲーターガーはこのような不名誉極まりない肩書きを得ることになったのです。

そんなアリゲーターガーは形態から日本離れしています。

「巨体」「牙」「ガノイン鱗」

古代を生きた魚の形態、それに加えてあの巨体。

その強烈な見た目が一人の若者を魅了するのなんて簡単な事です。

「釣って生で触ってみたい」

それから僕のアリゲーターガーを追う日々が始まりました。

アリゲーターガーに魅せられ鶴見川へ。

日本でアリゲーターガーを釣るなんて簡単な話ではありません。

当然ですが「繁殖している」と言っても個体数自体はそこまで多くありません。

最初に目をつけたのは関西の水路帯でした。

この場所であれば確実に繁殖していて何度も釣り上げられている、といういう水系があったのですが何せ関西は遠いのです。

新潟から行こうとすると時間もお金もかかります。

いろいろ調べていくと横浜の「鶴見川」でもアリゲーターガーが捕獲されているとのこと。

「横浜なら新潟からでも通えない距離じゃないな」

関西に比べれば圧倒的に来やすい横浜に的を絞り、開拓を進めることにしました。

そんなこんなで初めて鶴見川にやってきました。

地元新潟の川とは雰囲気が違う。特に水の色、なんだか黒っぽい水が流れている。

そして思った

「こんなとこにアリゲーターガーなんているんか???」

横浜を流れる鶴見川。印象としては「都会の川」

川沿いでは「散歩をする人」「サイクリングを楽しむ人」「お子さんや恋人とのんびり過ごす人々」「楽器を演奏する人」「川沿いの写真を撮る人」などなど……。

とてものどかで時間の流れがゆっくりした場所でした。

こんな平和な場所に凶悪顔の怪魚がいるイメージがなかなか湧かないが、

兎に角調査してみよう。

初回の調査は3泊の予定を組みました。

この間

一日 20キロ〜30キロ歩き地形把握と聞き込み調査をひたすらに行いました。

重いバッグを背負って一日中歩くのは想像以上にしんどく、辛かったです。

こんな装備で彷徨ってました。バッグは15キロほどあります。

夜は川辺で寝て、朝明るくなったらまた歩き出す。

こんなサイクルだったので毎日歩数計アプリを見るのが楽しかったです…。

聞き込み調査は釣りをしている方を中心に行いました。

すると思ったよりも多くの情報を得る事ができたのです。

「バス釣りしてたら足元に浮いてきた」

「釣ったシーバス(スズキ)を水辺で生かしておいたらガーが寄ってきた」

「呼吸に上がってくるのを何度も見た」

多くの証言を得る事ができ、自ずとアリゲーターガーのいるエリアを絞っていく事ができました。

しかしながら「絞る」と言いましても範囲が十数キロ範囲に及ぶのです。

自分なりにアリゲーターガーの生態と地形や聞き込みで得た情報をすり合わせて「ここはガーが回ってくる」というポイントを数カ所決めました。

後々分かりましたが、地形を把握することがアリゲーターガーを釣る上では一番の近道でした。

アリゲーターガーという魚は好む地形がある程度決まっているみたいです。

逆に言えば「アリゲーターガーが絶対に付かない地形」というものが存在します。

バスなどの魚が豊富でもこの場所にはガーが来ないというエリアを見つけることで少しづつですが確実にエリアを絞っていきました。

アリゲーターガーに出会うも。

川沿いを歩いた距離が100キロに迫ろうという時、ついにその時が来たのです。

目をつけたポイントの一つ「ゆるいカケ上がりが隣接するシャロー帯」

そのシャローで巨大な丸太を見つけました。

しかしその丸太は流れに逆らってゆっくりと鶴見川を遡上しています。

そこで確信しました。

「アリゲーターガーやん!!」

写真では分かりにくいかもしれませんが完全にアリゲーターガーです。

散々歩き回ってアリゲーターガーを見つける事ができました。

この時点で心臓はバクバクです。

しかしながらでかい….。

目測ですが体長は120cmほどあります。

結論から書きますが、このアリゲーターガーは釣る事ができませんでした。

「いれば簡単に釣れるんじゃないの?」と思っていましたがそう簡単には行きませんでした。

アリゲーターガーという魚を一級河川で見つけるだけでもこんなに大変なのに、そこから釣り上げるのは更に難しい…..。

初回の挑戦は敗北という形で終わりました。

一日中重いバッグを背負って歩き続ける。足への負担がすごい。

半年間通って一切の魚信なし。

初回の敗北後、ちょこちょこと月一くらいのペースで鶴見川に通いました。

神奈川の友人宅に泊めてもらったりしながら半年ほど狙い続けました。

この間一度もアリゲーターガーの姿を見つける事が出来ず、なかなか辛い期間でもありました。中でも一日中歩き続けてなんの成果も得られなかった日なんかは余計に疲れた気分になります。

しかしながらアリゲーターガーの姿は見つけられなくても聞き込みや地形調査などで確実にガーに近づいている手応えを感じる日が増えました。

中でも「時期ごとに回遊ルートが変わる」ということが分かったのは大きかったです。

それと個体の大きさごとにいつく場所が違うという事もわかりました。

自分が狙うのは当然特大サイズ。

40〜70センチほどの小型中型の目撃情報が多い場所は切り捨てて150センチoverの個体が好む地形を集中的に攻める事にしました。

しかしながら特大サイズは小型中型に比べて個体数が少なく、狙って釣る難易度は圧倒的に高いのです。

「絶対に獲る」

この一心で歩き続けました。

余談ですが、関東にはアリゲーターガー以外にも魅力的な魚がたくさんいます。

関東圏、東京湾では手軽にベイシャーク(ドチザメ)を狙う事が出来ます。

新潟県民の僕的には、こんな簡単にサメが釣れるということに驚きました。

なかなかイメージが湧かないかもしれませんが調子の良い時であれば一晩で10匹くらい釣れることもあるそうです。(ちなみに僕が狙った時は2晩で1匹しか釣れませんでした)

関東を代表する魚といえば「四大家魚」系、特にハクレンが有名なのではないでしょうか?

ハクレンは荒川や利根川といった関東の大河川に生息している魚で、特徴を聞かれれば「デカくて重い」と答えます。ハクレンもなかなかインパクトのある姿をしていて特に顔なんかはなんともいえないブサイク加減です。

なんともいえないハクレンの顔。なんかブサイクだけど個人的には結構好き。

このように関東には意外な事に魅力的な魚がいるのです。

アリゲーターガーという魚を狙いつつ、この辺りの少し変わった魚を狙うのもちょっとした楽しみでした。

アリゲーターガーとの再会

相変わらず見えない魚を追いかける日々が続いていました。

そしていつものように鶴見川沿いで3泊ほどして帰ろうとした時、

ついにアリゲーターガーの姿を見る事が出来たのです。

その日も一日中歩きまわりヘトヘトでした。

3泊の日程の最終日の夕方、「最後にこの辺りのポイントを見ておこう」そう考えた僕は帰り際、カーブが続くポイントで小一時間張り込む事にしました。

張り込み開始から40分ほど経った時でしょうか?

コンビニで買った菓子パンをかじりながら川を見つめていると、遠くの方に明らかに鯉では無いシルエットの魚を見つけました。

なんだあれ?と思いながらその魚に目をやっていると、その魚は水面で呼吸をしたのです。

アリゲーターガーは浮き袋に毛細血管が続いており、直接の空気呼吸ができる魚なのです。

この時点で確信しました。

「あれガーだな…..。」

呼吸が見えたのは一瞬で、その後すぐに沈んで見えなくなりました。

しかしながらアリゲーターガーを目視で確認できたのは本当に久しぶりだったのでモチベーションが爆上がりしました。

もう1日多く日程を組んでおけば….。と少し後悔しましたが、翌日に外せない用事があったでなんとしてでも帰らねばなりませんでした。

ちくしょう…。

未練タラタラのままバッグを背負って帰路につくのでした。

アリゲーターガーを手にした日。

アリゲーターガーを目撃した約1ヶ月後。

成田空港を利用する機会があり、その際の諸々の手違いで1日だけ関東で自由に使える時間ができました。

空港で一晩を過ごした僕は

「せっかくだしガー狙ってみるかぁ」

と考え鶴見川に足を運んだのです。

いつものように聞き込みをしながら、前回訪れた際最後にアリゲーターガーを目撃した場所に行ってみました。しかしながらそこにはアリゲーターガーの姿は無く数名のバスアングラーが釣りをしているだけでした。

出鼻を挫かれた気がしましたが前回までにコツコツと絞った回遊ルートを見て回る事にしました。

そして2箇所目のポイントで遂にアリゲーターガーを見つけるのです。

その姿を見て思わず声が漏れてしまいました。

「デカすぎるだろ….。」

どう見ても150cmはある個体が目の前で呼吸しました。その巨体から目測で20キロ以上あるのを確信しました。

当然急いでタックルを準備して構えましたが、既に姿はありませんでした。

しかし、地形的に奴はもう20分もすればもう一度ここを通る。

確信があったのでタックルを持ったままその場で張り込みました。

そして10分後、再び目の前にアリゲーターガーが現れた。

すかさずキャストし、食わせのラインを通してくる。

スーーーーーーー

ガゴン”….!!!!!

食った!!!!!

全身の力を込めて思いっきり合わせました。

その瞬間にとんでもない重量感が手元に伝わってきました。

「あ、これヤバいやつ掛けた….。」

そう確信しました。

ファイト中のアリゲーターガー
白っぽいのが口の中。上から見ると茶色っぽい魚なので口の中の白色は目立つ。

掛けた場所ではどう考えても取り込めないので自分が川の中に入れる場所を探しました。すると対岸になんとか降りられそうな場所があったのでそこまでガーを誘導する事にしました。

20分ほどかけてなんとか対岸の降りられそうなポイントに誘導し、自身もスニーカーのまま川に入りました。

その後30分、巨体の繰り出すパワーにひたすら耐えました。

緊張して喉が渇いたことなんか人生で一度も無いのに、この時ばかりは喉が張り付いて飲み物を切らした自分を恨みました。

アリゲーターガーはヘッドシェイクで何度も水柱を立て、その度に轟音が一帯に響き渡りました。

何度も寄せてその度にラインを出されるの繰り返し。

しかし確実に相手は弱ってきているようでした。

アリゲーターガーの動きが止まった隙を突いてその巨体を浅瀬に誘導しました。(簡単に書いているけどもかなり大変だった)

水深が10センチほどの場所で凶悪な口にフィッシュグリップを通しました。

遂に獲った!!!

そして陸地まで引き上げた時。抑えきれずに声が出ました。

「うっしゃぁぁああ!!!!」

これぞ怪なる魚アリゲーターガー!

遂に獲った。長かった。

これが、これが釣りたかったんだ。

アリゲーターガー、仕留めたり!!

追い求めた「怪魚」

莫大な時間と労力をかけ、遂にアリゲーターガーを獲る事が出来ました。

ここからはそんなアリゲーターガーを見ていこうと思います。

やはり最初に目を引くのはこの「牙」でしょう。

自然界本気の「牙」

嘴状の口に生え揃ったこの牙。生で見るとなかなかに迫力がありました。

軽く触ってみたのですが、その完成度の高さに驚きました。写真じゃわかりにくいのですが微妙に内側に向いて生えているんですよね。

そして主張の激しい大きな牙の外側にも小さな牙が無数に生えているのです。

小さいと言っても指を強く押し付けたら血が出そうな長さのもの。一般的な肉食魚に比べるといかに規格外の牙を持っているかが分かる。

この日本離れした大小無数の牙からは「一度噛んだ獲物を逃さない」という強い意志が感じられます。進化の過程でこうなったのを考えると機能的で美しいです。

そんな口の先には可愛らしい鼻の穴があります。

ガーの鼻の穴。ギャップ萌え?正直可愛いです。

この鼻で死肉などの臭いを嗅ぎとっているのだと思います。

かなりしっかりした鼻の穴で、5mmほどありました。ガーという魚は恐らく相当に鼻が効くのだと思われます。

実際に見ると少し緑がかった頭部。この周辺、頭から口先にかけてを軽く小突いてみたのですが本当に鎧の様でした。

コンコンというかゴッゴッって感じでいかに硬いかが伝わってくる様な音を出します。

本場アメリカのアリゲーターガー釣りではこの口の部分の硬さを考慮して釣り針を喉の奥まで飲み込ませてからかける方法が一般的です。

釣り針をかけるのが難しいと言われるほどアリゲーターガーの口周りは硬いということです。

そして個人的にかなり興味のあった「ガノイン鱗」

これがガノイン鱗。

ガノイン鱗(Ganoid scales)は最も初期の硬骨魚類の鱗です。

現在ではガーやチョウザメの仲間に残っている鱗ですが、それ以外の魚では退化し、完全なるガノイン鱗は見る事が出来ません。

太古より殆ど姿を変える事なく生き抜いてきた魚がアリゲーターガーなのです。

恐竜たちが陸上で覇を競っていた時代から殆ど変わらない姿をしている所に強く魅力を感じました。つまりは太古の象徴であるガノイン鱗に強く惹かれたという訳です。

愛すべきガノイン鱗。鱗の一枚一枚にまで美しい模様があるのが見て取れる。

ガノイン鱗というものを生で見れてかなり興奮しました。

人工的にタイルを敷き詰めたように規則的に美しく配列されています。包丁なんかでは絶対に剥ぐことのできない強度を誇りますのでアリゲーターガーを捌くには電動工具かノコギリなんかが必要なのでは無いでしょうか?

アリゲーターガーの鰭。写真じゃ伝わらないが実物はかなり大きい。

アリゲーターガーの臀鰭(尻ビレ)は非常に大きく、団扇の様な形をしていました。よく見ると黒いラインが十数本入っていて、そこから背中にかけて黒い斑点が浮き出ています。

黒い斑点は背鰭まで続いている様です。なんだか蝶のような模様をしています。

全ての部位の鰭に出る斑点なのかな?とも思いましたが、鰓の縁にまで浮き出ていた斑点は胸鰭には無く、模様らしきものも見受けられませんでした。また、写真はありませんが腹鰭にも斑点は浮き出ていませんでした。

しかし胸鰭の付け根の太さにも驚きました。この様なガッチリした胸鰭はその巨体を考えれば相応かも知れませんが、なんだか魚の体の部位には見えない雰囲気でした。

この写真からなんとなくアリゲーターガーの頭部は長いという事が伝わるかと思います。実際このアリゲーターガーの頭部は40センチ近くありました。体との比率を考えればそこまでデカ頭というわけでもありませんが、純粋に頭だけで40センチ近くもある魚が日本にいるなんて驚きです。

全体的に全く見たことのないタイプの魚体でした。

身近な魚に雰囲気が近いものが居ないのですが、”あえて”言うのであればライギョと同じような方向性かな?といった感じです。

愛すべき地元新潟の雷魚。どこか近い匂いを感じなくも無いような。

ファイト中のヘッドシェイクの感じや、水面に浮上して呼吸する部分なんかは似ていると思えなくも無いです。

しかしそれでも「アリゲーターガー」という魚が異端的な見た目をしており雷魚とは比にならないインパクトを与えることは確かです。

雷魚とはかけ離れた重量感

水族館の職員の方曰く、30キロを超えていたそうです。

やはり釣り人たるもの、大きい魚が好きなのは変わらない様です。

かなり縮んでしまった後だが、それでもこのサイズ。

この写真に写っている鼻から口の部分にかけてはなんだか木の表面の様な模様が浮き出ています。実際触ると固く、本当に硬いかが木のような感触でした。

その後水族館の職員の方が取りに来られ、その場で計測をしてもらいました。

全長は166cm、女性なら高身長に入る大きさ。

なんとなく目標にしていた150cmを大きく超える事が出来ました。

計測されるアリゲーターガー。ちびっ子たちの人気者になっていた。

このアリゲーターガーは剥製になり、さいたま水族館さんで展示されるそう。悪者ではなく人気者になってもらいたいものです。

(自分で持って帰って食ってみたかったのが本音だけれどこれは流石に電車には乗っけられない)

鶴見川アリゲーターガーまとめ

そんなこんなで長い長い片想いがまた一つ終わりました。

そしてこの手の外来魚が絡む記事ではお約束なのですが、一つ言わしてください。

「このアリゲーターガーは被害者。加害者は人間です。」

僕がアリゲーターガーを釣った時に集まって来た ちびっ子の一人がこう呟いた

「なんか可哀想。」

そう。可哀想なのです。

知らない土地に連れてこられ、最後には僕みたいな人間の手で一生を終える。

僕は駆除したくて釣ったわけではありませんが結果的にその命を終わらせる事になったのは同じ。

生きたままであれば水族館でのんびりと快適に余生を過ごせたのでは?とも思いました。(実際に生きているのであればそのまま水槽で展示したいという話もあった)

しかしその考えは僕のエゴですぐに無くなりました。

「せめてお前の事が大好きな俺の前で逝ってくれ」

自分でも清々しいほどの自分勝手さだと思いますが、この魚は水槽の中で生かされるべき魚では無いと考えました。

そして自分以外の人間が殺すべき魚でも無いと。

こいつを釣ったのは僕自身。その最後を見届ける義務がある。

「アリゲーターガーという魚を日本に持ち込んだ人間は僕では無いけども、”ニンゲン”としてこの愛すべき魚に責められよう」

高校生の時に彼女と水族館でデートした事があるんですよ。

その時に見たターポンが忘れられないんです。

ターポンも古代魚チックな魚なのですが、その口元には何度も水槽にぶつけて出来たと思われる痛々しいコブが見えました。

それを見て可哀想になって彼女の前で泣いたのを覚えています(かなりキモがられた)

自分でもなかなかにやばい奴だというのは分かっています…..。

きっと僕は”アリゲーターガー”という魚をにどこかあのターポンを重ねて見たのだと思います。

だからきっと水槽で飼われる事が嫌だったのだかな?と。

僕自身もスネークヘッドやポリプテルスなどの観賞魚が好きで飼っていたこともあるので水槽での飼育が嫌いなわけではありません。というかすんごい好きです。次は肺魚の仲間を飼って見たいと思っています。

しかし思いませんか?

魚は自分の故郷でのびのび泳ぐのが一番幸せだと。

そうでなければしっかりと愛情のある方に飼ってもらって欲しいです。

アリゲーターガーに限らず、飼い切れなくなった魚をどこかに逃す方は「元気に生き延びてほしい」とか考えての行動なのかもしれませんが。結果的にそれが一番魚にとって辛い事なのだと理解してください。

「どうしても飼い切れず、引き取ってくれる所もなかった」なんて場合は自分の手で殺してください。

それが飼い主の責任です。しっかりと殺し、愛していたペットを自分の手で裏切り罪悪感に浸ってください。

誰かに汚れ役を押し付け、自分のペットの最後を見届けずに逃げるのだけはやめてあげてください。

飼い主のことが大好きだったペットが可哀想過ぎます。

そんなわけでちびっこの一言が重く感じ、魚好きとしてもう一度深く考えなければなとも思いました。

ちびっ子に限らず、このアリゲーターガーを獲るまでに多くの方に出会いました。

親切に聞き込みに付き合ってくれた方々、ありがとうございました。

そしてアリゲータガーを釣った後ウエットティッシュを頂き、飲み物まで買ってきてくれたバス釣りの方もいました。喉が張り付くくらい乾き切っていたので本当に助かりました。ありがとうございました。

「腹へった〜」とぼやいてる僕に自分のお小遣いでパンを買ってきてくれた子もいました。優しい、なんていい子なんだ….。

神奈川県民めっちゃ優しいです

鶴見川のアリゲーターガー。

東京でオリンピックが開催された2021年。

どうやら川の中までがグローバル化している様です。

竿を持っていてくれたちびっ子。クリスマスはサンタさんに釣り道具をもらう事にしたらしい。足の日焼けを見るに将来が楽しみすぎる。

川上 克利

幼少期から近所のドブを徘徊し、魚の多様性に魅せられました。
趣味的に当サイトMONOSを管理運営。
獅子型のA型、好きな飲み物はドクペとルートビア。

コンタクト、お問い合わせ、メッセージは各SNSのDMや当サイトお問い合わせフォームよりお願い致します!

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