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対怪魚用フィッシュグリップ、ボガグリップ
フィッシュグリップの中でも、トップクラス。いや、トップの耐久性を誇るであろうアイテムが、エスタボガタックル社の”ボガグリップ”。
世界中の釣り人から愛されているアイテムで、絶対的な耐久性と信頼で、その地位を確固たるものにしています。もちろん、筆者自身も日本の大型魚のみならず、世界中の魚を相手にしてきて、このボガグリップを使用してきました。そんな訳で、確かな根拠に基づくインプレッション記事が書けるかと思います。
今回はボガグリップの30lbと30lbスペシャルというモデルを数年間使用してきて、そのインプレを再度書いていきたいと思います。
ボガグリップはどんな時に使う?
僕のように日本を飛び出して海外でも魚を狙うような釣り人であれば、ボガグリップはマストアイテムと言っても過言ではないでしょう。
海外で相手にするのは、日本の淡水魚とはかけ離れたパワーや獰猛さを持った怪魚達。
獰猛な牙を持った魚や、カミソリのように鋭い歯を持った魚がゴロゴロいるのです。
いわゆる”バス持ち”なんて使用もんなら、指がタダでは済まないような魚を相手にしていると、アイテム一つ一つに求めるモノは、”かっこよさ”なんかではなく、実用性と耐久性。
ピラニアなんか、暴れて外れでもしたらと思うと、ゾッとします。
「じゃあ日本ではいらないんじゃね?」なんて声が聞こえてきそうですが、それは違います。
ボガグリップは海外の大型淡水魚のみならず、国内のルアーフィッシングのシーンでも活躍するアイテムになります。最も身近な釣りで言えば、シーバスフィッシング。
実際にシーバスを釣っている方で、フィッシュグリップ的な物を持っていない方も少ないのではないでしょうか?
基本的にフィッシュグリップというアイテムそのものが活躍するのがルアーフィッシングで、ルアーの付いた魚を運ぶ際や、フックを外す際。また、ランディングや写真撮影の際にも活躍するアイテムになります。
フィッシュグリップというアイテム自体は色々なメーカーさんから出ているのですが、このボガグリップにおける絶対的な強みが”耐久性”になります。
次の見出しでは耐久性や強度についても書いていきたいと思います。
ボガグリップの圧倒的な耐久性
しつこいくらいに”耐久性”という言葉を使っていますが、それだけ誇るべき強みなのです。
国内外問わず、淡水海水問わず、ボガグリップを数年間使用してきて、メンテナンスはほとんどしていないのですが、特に錆びたりもせず普通に使えています。
とにかく錆び辛いんですよね、ボガグリップ。
そして魚を掴んで歪むことが殆どありません。(殆どと言ったのは、過去一度だけ30キロを超える魚を運ぶ際に無理な方向に力を加えたら少し歪みが出たからで、その一度を除けば皆無です。)
シーバス用に出ているフィッシュグリップって、かっこよかったり軽量だったりするんですが、僕のような人間が使うと1ヶ月持たないで歪んだり錆びたりするんですよね、
シーバス”のみ”に使用するのであればいいのかもしれませんが、シーバスを狙っている際にヒットする外道(雷魚やナマズなんか)を掴んでしまうと、顎の力やローリングで壊されてしまうのです。
雷魚やナマズなんかのローリングしてくる系統の魚を掴んだ時にボガグリップの強みが発揮されるのですが、
ボガグリップはグリップの部分とジョー(魚を掴む部分)が別々なパーツでできており、魚を掴んだ際に魚が回転すると、ジョーも一緒になって回転してくれるのです。
ここが回転してくれると、変な方向に力が加わる事がなく、破損やダメージを最小限に抑えることができるんですよね。
そして魚に与えるダメージも最小限に抑えてくれるので、それこそシーバスのような魚の顎を損傷させるリスクも最小限に抑える事ができます。
ボガグリップと偽物と使い比べた
ボガグリップのような高価なフィッシュグリップと、ボガグリップっぽい安いフィッシュグリップを使い分けて比較してみました。
釣具屋さんで1500円くらいで買ったフィッシュグリップ。ボガグリップの30lbスペシャル一本の値段で20本以上買うことができちゃいます。
こちらのフィッシュグリップもなんだかんだで半年くらいは日本各地で使ってみましたが、結局ボガグリップを買い直しました。
というのも、ボガグリップに比べて、精度が低すぎたのです。
本家ボガグリップは、こんな感じの唇が薄い魚を挟んでも外れる事がありません。余計な場所にクリアランスの余裕を持たせていないため、ジョーが一度しっかりと閉まれば開く事がありません。
対して、安いボガグリップのようなフィッシュグリップはジョー部分のクリアランスがガバガバすぎるように感じました。んで、ジョー部分が小さく、大型の魚を掴むのが不可能なことにも気づきました。
写真だと少し分かりづらいのですが、ここで使っているのが安いフィッシュグリップです。このサイズの魚(サメ)であれば、なんとか掴む事ができるのですが、この後すぐ魚が暴れて外れてしまいました。このような魚を掴んでいる際に、突然フィッシュグリップが外れてしまうと怪我をするリスクもそれなりにあるので、僕自身はボガグリップの偽物は今後使わないという選択肢を選びました。
また、ウナギや雷魚、ナマズのようにローリングする魚を掴んだ際に魚の顎にかなりの負担をかけてしまうのも気になった点です。
本家ボガグリップのようにグリップとジョー部分が分裂して回転するだけで、魚の顎の負担はかなり軽減されますし、僕ら釣り人も手首が楽です。
シーバス狙いの釣りをしている際に雷魚やナマズが外道としてヒットするリスクを考えたら、本家ボガグリップのようにジョーが回転する物を選ぶのが無難なのではないでしょうか?
30lbスペシャルと30lbを使って、思った事
実際にボガグリップの30lbと30lbスペシャルというモデルを両方使ってきましたので、比較的な事を書いていきたいと思います。
そもそもノーマルの30lbと30lbスペシャルというモデルの違いですが、ボディーは基本的に同じもので、魚を挟むジョーの部分の大きさが異なります。ボガグリップには30lbの上に60lbという大型のモデルがあるのですが、そのジョーを30lbのボディーに組み込んだものが30lbスペシャルになります。
まず、ノーマルの30lbを使用した感想ですが「日本国内で普通の釣りをするなら十分すぎる」と思いました。日本にも怪魚(アカメだったりアオウオだったりアリゲーターガーだったり)は生息しているのですが、この手の釣りをそれなりにやり込んでも、ノーマルの30lbで間に合う場合がほとんどです。
僕の場合一度だけノーマルの30lbが、ジョーの開きが足りずに口にハマり切らなかったことがあります。
口の形状が特殊な魚を相手にした時の話ではありますが、その際無理矢理ボガグリップがハマる角度でハメて、完全にジョーが閉まりきっておらず、先端が歪んでしまいました。
後にも先にもボガグリップが歪むことなんてそうそうないと思いますが、ノーマルの30lbでは仕留めきれない魚もいるんだと気付かされました。
そして、ボガグリップの30lbのノーマルから、30lbスペシャルに乗り換えました。
乗り換えてからは、海外釣行においても「ボガグリップがハマらない」なんてことが起こらず、快適に使えています。(もちろん2mを超える魚は別として)
そしてジョーの懐が深くなった分、ボガグリップでランディングをする際なんかも、ハメ損ねるミスは格段に減ったように感じます。
ボートからキャスティングを繰り返す海外のフィールドのみならず、日本のシーバスフィッシングでもボガグリップでランディングするシチュエーションは結構あるかと思います。そんな時はランディングツールとしても活躍してくれますし、ルアーを外す際の拘束も安全になりますね。
口にルアーがついた状態で魚が暴れるって、実際かなり危険で、僕自身もルアーを外す際に魚が暴れてカエシまで針が刺さったことがあります。その時はなんとかなりましたが、実際の釣行時にそんなことが起こってしまうとパニクってしまう方もいるのではないでしょうか?
魚の大きさ、フックの大きさ問わず、安全の為のツールとしても確実に魚をロックできるサイズをチョイスしましょう。多少ボガグリップが大きすぎても、案外普通にハマりますし。
普通に日本で釣りをしていて30lbのスペシャルが必要になることなんて殆ど無いとは思いますが、ノーマルの30lbでは掴めるか分からないような魚と対峙する際は、迷わず30lbスペシャルを選んでいただきたいですね。
ボガグリップ30lbインプレッションまとめ
「この記事を読んでくださってる多くの方は、ボガグリップの購入を検討している方なのかな?」と勝手に推測していますが、ボガグリップ、高いですよね。
でも、高いなりに間違い無いものである事は事だと思いますし、”一生モノ”と言っても差し支えないくらいに頑丈です。自分で言うのもなんですが、ここまで多くの魚を相手にしてきて、これと言った不満も無く使えている事が、何よりの証拠だと思うんです。
実際に現場で腰からぶら下げると、重たさ以上に絶対的な安心感がビリビリと伝わってくるかと思います。「どんな魚でもドンと来い」なんて言ってくれてるみたいで……。
釣行時にはほぼ必ず持っていきますし、ボガグリップが無かったら不安になるくらい、僕の釣りには必須のアイテムです。
確かに、偽物は安価でボガグリップは高価です。
でも、その数万円の差が惜しく無いくらいに僕はボガグリップの30lbスペシャルを信頼しています。